代表者ご挨拶

 

 弊社は長浜バイオ大学発の創薬ベンチャーとして2006年にスタートしました。以来、創薬科学技術の豊富な経験と知見をもとに、特にがん領域における新規創薬標的の同定・評価と医薬品リード化合物の開発に注力して参りました。最近ではAIとの融合による創薬イノベーションを追究しており、その成果として、「細胞の見える化技術」を開発・特許化しました。

 

「細胞の見える化技術」は、弊社がこれまでに培ってきた細胞培養・イメージングのコア技術とAI/ディープラーニングの融合により生まれたものです。本技術により、細胞イメージャーや顕微鏡の明視野・位相差等の透過光観察画像を、細胞の性状を示す高精細なデジタル蛍光画像にリアルタイム変換し、細胞の「見える化」が可能になります。また技術を極め、iPS細胞の成熟コロニーのような高密度状態の細胞集団に対しても、デジタル生成させた細胞核画像の定量的計数による細胞数や面積・密度等の高精度の計測が可能となっています。

 

現在、再生医療における治療用細胞の製造・品質管理やiPS細胞の創薬利用の用途において、生細胞の増殖や形態、性状を非侵襲かつ継続的に定量観察するニーズが高まっていますが、「細胞の見える化技術」はこれらのニーズに十分に応えるソリューションを提供できると確信しています。また実際、顧客の製薬企業様の細胞医療・創薬の研究者・技術者の現場ニーズ・課題に的確に対応して、オーダーメイドのデジタル細胞計測システムの提供実績を増やしつつあり、お客様のご満足をいただいています。

 

今後さらに提供実績を積み上げて、「細胞の見える化技術」を細胞医療・創薬のエッセンシャルテクノロジーへと進化させることが私たちの夢です。その夢が実現した世界においては、「細胞の見える化技術」による、細胞製造・品質管理と創薬プロセスのボトルネックの解消や、システムの効率化、製造・研究開発経費の低減が広く現実化していると思います。

 

弊社は、イノベーションとインベンションを最も大切な価値と考え、これからも私たちのテクノロジーの革新化・高度化に挑戦し続けます。その成果をもとに、顧客の製薬企業様と協働して、世界の人々の健康と幸福に貢献すべく、さらなるフロンティアを拓き続けて参りたいと存じます。

 

20224

株式会社フロンティアファーマ

代表取締役社長CEO  水上民夫